石灰岩は、炭酸カルシウム[CaCO3]を主成分とした堆積岩で、太古の石灰藻や珊瑚、貝殻、石灰質プランクトン等、 炭酸カルシウムで殻や骨格を構成する生物の屍骸が堆積・石化したものです。 石灰岩は工業資源としての価値が高く、古くから採掘されており、日本で唯一自給できる鉱産資源です。 高知県は世界有数の石灰の産地で、品質・有効埋蔵量 ともに世界一と言われています。
田中石灰工業では、県内で採掘された石灰岩を原料に生石灰・消石灰、および、それを原料とした製品を製造・販売しています。 石灰岩の品質は石灰岩を構成した生物の種類や、その生息環境、石化する過程で受けた圧力や熱、形成年代によって大きく左右されます。当社が原料に使用している石灰岩は、約2億8千万年前の珊瑚礁が化石化したもので、純度が高いだけでなく、結晶化率が低いため焼成時に崩れにくい特性があります。
石灰には大別して2種類、生石灰(酸化カルシウム[CaO])と消石灰(水酸化カルシウム[Ca(OH)2])があります。生石灰は原料の石灰岩を高温で焼いて製造します。この生石灰を水と反応させると高熱を発して消石灰が出来ます。

遠い昔、シルクロードを通り、中国大陸を経由して、渡来人達によって我国に伝えられた漆喰は、高松塚古墳に見られるように、長年その美しさを失わず、長期間の耐久性に優れたまれにみる建築材料です。 コンクリートなどがなかった時代から、堅牢で耐久性のある建物を建てるために、さかんに漆喰が使われていました。

コンクリートなどの使用により純日本式建築や伝統建築の修復などに活躍の場が限られてきた漆喰壁ですが、近年、環境問題・健康ブームを追い風とした「地球に優しい建築」「人に優しい建築」が求められ、再度注目を浴び始めています。 漆喰壁は、一度つくり上げれば解体するまで長持ちし、新たなエネルギーの供給をしなくても機能を保ち続ける構造をしており、自然素材で出来ている ため、解体・処分に莫大なエネルギーを必要とせず、解体後も安全で汚染物質を排出しないという、「時代の要請」に合致した建築材料といえましょう。
古来より長らく重用されてきた高度な耐久性を誇る漆喰ですが、自然素材であることに由来する多くの特長も持っています。
土佐漆喰の特長は、台風銀座と呼ばれるほど雨が多い高知県の気候に対応した耐久性にあります。
江戸時代に高知県で誕生した比較的新しい漆喰で、昭和後期まで高知県内のみで使用されてきましたが、現在ではその堅牢性と仕上がりの美しさが認められ、全国的に施工されています。


その製法は土佐漆喰専用に焼成した塩焼き灰と一ヶ月以上発酵させたワラスサを水練りし、3ヶ月以上熟成させます。そのため製造から出荷まで長い期間と多数の工程管理を要すことになります。
また一般的な漆喰は素材そのものが白いのに対し、土佐漆喰はクリーム系の色で、施工後半年から数年で徐々に白色に近づいていくのも特長の一つです。

| 土佐漆喰 | 一般的な漆喰 | |
|---|---|---|
| 主成分 | 土佐漆喰専用の塩焼き灰 | 塩焼き灰 重油焼成の汎用石灰など |
| スサ | 発酵させたワラスサ | 麻スサ |
| のり | 使用しない(ワラスサを発酵させることで分泌される糖類がのりの役割を果たす) | 海草のり パルプのりなど |
| 色味 | 施工直後はワラスサによりクリーム色系だが、施工後半年から数年で徐々に白色に変化し、最終的に少し黄味がかった軟らかい白色となる | 施工時から純白 |
| 耐久性 | のりを含まないため、雨に対し非常に強い | 水によるのりの溶出があるため、雨にかかるともろくなる |
| 塗り厚 | 主成分の地灰の収縮が極めて少ないため、厚塗りで仕上げられる | 一般的に粒子の細かい石灰を使用していることと、のりの収縮があるため薄塗りしないと割れる |
| 上塗り5mm~7mm | 上塗り1mm~1.5mm | |
| 施工 | 厚塗りのため下地からの工程が多く、コテ押さえにも時間を要する | 中塗りから上塗りは1日で行うことが一般的 |